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第99話  

数日ぶりに会った松山昌平は、相変わらずの美男子で、スタイルがいい。特にその脚は長くて完璧だ、どうやら回復が順調そうだった。後遺症も全く見受けられなかった。

 篠田初は安堵の息をつき、少しは肩の荷が下りた気がした。

 もし彼に何か問題があれば、自分が最後まで責任を負わなければならず、今日の離婚は難しくなっていたかもしれなかった......

 篠田初は髪の毛を整え、喉を軽く清めて、二人がかつて夫婦だったことを考慮し、軽く挨拶をしようと決めた。彼といい別れにしよう。

 「こんにちは......」彼女は手を振り、自然だと思うニセ微笑みを浮かべた。

 しかし、松山昌平は唇を固く結び、その冷たい顔でまるで彼女を空気のように扱い、2メートル80センチもありそうな長身で、ただただ歩き去ってしまった!!

 「......」篠田初の笑顔は固まり、困惑と怒りが混じった。

 こんなにも冷たい態度をとるのか?たとえ夫婦でなくても、数日の間に共に過ごした時間があったのに、こんなにも無礼にされるとは思わなかった。

 篠田初は歩調を速め、彼の後を追いながら、二階の証明書発行センターへ向かった。

 今日は離婚手続きをする人が前回と同じくらい多く、逆に結婚手続きをする人はわずかに4、5組だけだった。

 篠田初は感慨深げに考えた。やはり今の人々は賢くなり、婚姻制度はやがて消滅するのだろう!

 松山昌平はその特別な地位のため、優先レーンを通過した。

 担当者は非常に丁寧で、関連する書類を受け取った後、二人に水を注いで、もう少し我慢して待つように伝えた。

 こうして、二人は並んで座り、終始無言で、雰囲気は言いようのない不気味だった

 篠田初は紙コップを手に持ち、温かい水を少し飲んで、複雑な心境に浸っていた。

 すぐに離婚証明書を受け取ることができ、それは彼と篠田初がもはや何の関係もないことを意味している。

 もし彼らが理解し合えたなら、今後一生顔を合わせることもないだろうし、過去の三日間のように完全にお互いの世界から消えるだろう!

 もともとはこのことを気にせず、すでに割り切っていたが、突然押し寄せる悲しみが止まらなかった。特に、彼女の腹の中にいる二人の宝物を考えると、生まれてからずっと人生が欠けている、「父親」という人が永遠に空白になることを思うと、心が痛んだ。

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